ワークマン「メリノウールミドルウェイト長袖クルー」とモンベル「スーパーメリノウール厚手」を使い分ける理由
冬登山において、レイヤリングの成否を大きく左右するのがアンダーウエア(ベースレイヤー)です。防寒着やシェルに注目が集まりがちですが、実際には「汗をどう処理し、体温をどう維持するか」は最下層のインナーにかかっていると言っても過言ではありません。
私は登山用のアンダーウエアとしてモンベルのスーパーメリノウール厚手長袖を使用し、一方で**ワークマンの「メリノウールミドルウェイト長袖クルー」**は、主に日常用(会社用)のアンダーウエアとして長く愛用しています。本記事では、この2つのメリノウール製品の特長を整理し、冬登山における適用範囲と使い分けについて考察します。

メリノウールが冬のベースレイヤーに向く理由
メリノウールは、一般的なウールよりも繊維が細く、肌触りが柔らかいのが特長です。さらに、
- 高い吸湿性と放湿性
- 汗を含んでも冷えにくい
- 天然の防臭性
- 幅広い温度帯で快適
といった性質を持ち、汗冷えが命取りになる冬山との相性は非常に良好です。化繊の速乾性とは異なり、「濡れても保温力を保つ」という点が、メリノウール最大の強みと言えるでしょう。
ワークマン「メリノウールミドルウェイト長袖クルー」の特長
● ミドルウェイトという絶妙な厚み
この製品はその名の通り**ミドルウェイト(中厚)**に位置づけられます。薄手インナーよりも明確に暖かく、それでいて重ね着の邪魔にならない厚みです。
● 日常使いで感じる快適性
実際に会社用インナーとして使用していると、
- 朝夕の冷え込みでも寒さを感じにくい
- 室内外の温度差でも蒸れにくい
- 一日着てもニオイが出にくい
といった、メリノウールらしい快適性を実感できます。長時間着用する日常用途では、価格以上の満足感があります。
● 圧倒的なコストパフォーマンス
メリノウール製品としては非常に手頃な価格設定で、「気軽に使える」という点は大きな魅力です。洗濯や使用頻度を気にせず使えるのは、日常用として非常に重要なポイントです。
● 登山用途での注意点
一方で、ミドルウェイトという特性上、
- 停滞時の保温力は控えめ
- 強風下や低温環境では単体では寒い
と感じる場面もあります。厳冬期の冬山で、ベースレイヤー1枚として使うにはやや心許ないというのが正直な印象です。


モンベル「スーパーメリノウール厚手長袖」の特長
● 登山用途に最適化された設計
モンベルのスーパーメリノウールは、繊維の質・編み密度・フィット感まで含めて、明確に登山用途を意識した作りになっています。肌触りは非常に滑らかで、長時間着用してもストレスを感じにくいのが特長です。
● 厚手ならではの保温力
厚手モデルは、行動中だけでなく、
- 風のある稜線
- 休憩時やビレイ中
- 気温が低い早朝・夕方
といった場面でも体温低下を抑えてくれます。冬山で「少し暖かすぎるかな?」くらいの余裕が、結果的に安全につながると感じています。
● 汗冷えしにくい安心感
行動中に汗をかいても、ウールが水分を保持しつつ体温を奪いにくいため、止まった瞬間の冷えが穏やかです。この点は、冬登山における大きなアドバンテージです。

両者の性能と適用範囲の違い
| 観点 | ワークマン ミドルウェイト | モンベル 厚手 |
|---|---|---|
| 厚み | 中厚 | 厚手 |
| 保温性 | ★★☆☆☆ | ★★★★☆ |
| 吸湿・放湿性 | ★★★★☆ | ★★★★☆ |
| 肌触り | ★★★☆☆ | ★★★★★ |
| 価格 | 非常に安い | 高め |
| 日常使い | ◎ | △ |
| 冬登山 | △(重ね着前提) | ◎ |
冬登山における使い分けの考察
- 日常生活・会社用
→ ワークマン「メリノウールミドルウェイト長袖クルー」
暖かさと快適性、価格のバランスが非常に良く、日常インナーとして理想的。 - 軽い登山・低山・活動量多め
→ ワークマン+フリースや化繊ミッドレイヤー
発汗量が多い行動では、ミドルウェイトの軽快さが活きる。 - 厳冬期の本格的な冬登山
→ モンベル「スーパーメリノウール厚手」
ベースレイヤーとしての信頼性と保温力は明確に上。
まとめ:用途に応じた選択が正解
ワークマンの「メリノウールミドルウェイト長袖クルー」は、日常使いを主軸に、軽めのアウトドアまで幅広く対応できる高コスパインナーです。一方、モンベルのスーパーメリノウール厚手は、冬登山というシビアな環境でこそ真価を発揮する専用品と言えます。
どちらが優れているかではなく、どこで・どのように使うか。この視点で選ぶことで、冬の行動はより快適で、安全なものになるはずです。
筆者的には、次年度以降ワークマンさんに厚手のメリノウール長袖を是非発売してほしいことを期待します。


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