冬山登山では、寒さや風、雪など厳しい環境条件の中で体温を維持することが非常に重要です。そのため、服装の選択は快適性だけでなく、安全性にも直結します。特に中間着(ミドルレイヤー)は、体温保持と行動のしやすさを両立させる重要なレイヤーです。
今回は、手軽に購入できコストパフォーマンスも高い**ユニクロ「パフテックジャケット」**を冬山登山の中間着として活用できる可能性を、素材や仕様から徹底考察します。なお、筆者は今期このパフテックジャケットを購入済みで、これから冬山登山で試す予定です。

ユニクロ パフテックジャケットとは?
ユニクロの「パフテックジャケット」は、軽量で中綿入りの防寒アウターです。街中での防寒着として人気がありますが、素材や構造を考慮するとアウトドアの中間着としての活用も検討できます。
主な特徴
- 軽量性:持ち運びやすく、ザックに収納してもかさばらない
- 中綿入り:体温を保持しつつ重すぎず、行動中も快適
- コストパフォーマンス:1万円以下で購入可能
- シンプルなデザイン:街中でも違和感のない外観
価格は6990円(2025年現在)と登山用品の中間着としてはコスパが良い値段です。

正面写真です。筆者が羽織ってみましたが、羽織ってみた感じは暖かくて、同じ場所でユニクロさんのウルトラライトダウンも羽織ってみましたが、ウルトラライトダウンよりも若干こっちの方が暖かいかなと筆者は感じました。ウルトラライトダウンよりもパフテックの方が厚みがあるように感じます。

背面写真です。

内側左腹部写真(ポケット裏あたり)です。収納袋を留めることができて、内側のポケットに収納することができます。最初収納袋はどこかなと探しましたが、こんなところに、しかも留め具まであるとは筆者は少し驚きました。粋な構造です。



内側写真です。

タグ写真。表はナイロンが用いられてあり、撥水性があり。

右ポケット写真。左右にチャック付きのポケットがあります。

冬山登山における中間着の役割
中間着に求められる条件は以下の通りです。
- 保温力:ベースレイヤーで吸湿した体温を逃さず保持する
- 動きやすさ:腕や肩の動きを妨げない
- 軽量性:長時間の行動でも疲れにくい
- 耐風性:行動中の風や突風から体温を守る
- 通気性:汗を溜め込まず、蒸れを防ぐ
パフテックジャケットはこれらの条件をどの程度満たせるか、素材や構造から考察してみます。
パフテックジャケットの素材・構造から見る冬山登山での適用性
1. 保温性
パフテックジャケットは中綿入りで、軽量ながら保温性を確保できる設計です。中綿は空気を含むことで熱を保持する性質があるため、ベースレイヤーにウールや化繊インナーを組み合わせれば、冬山の低温環境でも一定の保温効果が期待できます。ただし、極寒下や強風環境では、単独使用では十分ではない可能性が高いです。
2. 動きやすさ
パフテックジャケットは比較的スリムなシルエットで設計されており、軽量で腕や肩の動きを妨げにくい構造です。登山の歩行や軽いクライミング動作に対応できる余地はありますが、素材の厚みや中綿の量によっては、重ね着時にやや動きにくさを感じる可能性もあります。
3. 軽量性と収納性
中綿入りながらも非常に軽量で、折りたたむとコンパクトに収納できます。ザック内でかさばらないため、休憩時や行動中に脱いだり着たりするレイヤリングの調整が容易です。
4. 防風・耐水性
パフテックジャケットは中綿入りであるため、ある程度の風は防げますが、防風性能は完全ではありません。雪や突風に晒される環境では、防風・防水性能の高いハードシェルとの併用が必須です。行動中に直接風に当たる場合は、別途シェルを重ねる必要があります。
5. デザイン性とコストパフォーマンス
街中でも違和感のないシンプルなデザインは、登山後の行動着としても活用できます。価格も1万円以下と手頃で、登山ブランドの中間着と比べるとコストパフォーマンスは非常に高く、冬山登山を始める際の導入ハードルが低い点も魅力です。
中間着としてのレイヤリング例(素材からの考察)
素材や防寒性を考慮すると、冬山登山での理想的なレイヤリングは以下のように考えられます。
- ベースレイヤー:メリノウール100%や吸湿速乾素材の長袖インナー
- ミドルレイヤー:ユニクロ パフテックジャケット(中綿入りで保温)
- アウターレイヤー:防風・防水ハードシェル(ゴアテックスなど)
- パンツ:防風・保温性のある登山用ソフトシェル
この組み合わせで、標高1500〜2000m程度の低山〜中山の冬山登山では、体温保持と行動性の両立が期待できます。
メリット・デメリット(素材からの考察)
メリット
- 中綿入りで一定の保温性がある
- 軽量で行動中も疲れにくい
- コンパクトに収納でき、ザック内でもかさばらない
- 価格が手頃で導入しやすい
デメリット
- 強風下では単独使用は不十分
- 極寒・高標高雪山ではハードシェルとの併用が必要
- 登山専用中間着と比べると耐久性や通気性はやや劣る
こんな方に適している
- コストを抑えて冬山登山を始めたい方
- 標高1500〜2000m程度の低山・中山での行動が中心の方
- 街中でも違和感なく着られる中間着を探している方
- 軽量で持ち運びやすい中間着を重視する方
まとめ
ユニクロのパフテックジャケットは、素材・構造から判断すると冬山登山の中間着として一定の活用が可能です。中綿入りによる保温性と軽量性、コンパクトな収納性、手頃な価格は、低山〜中山レベルの冬山登山において魅力的なポイントです。
ただし、極寒環境や強風条件では単独使用は不十分で、防風・防水性能の高いハードシェルとの併用が推奨されます。筆者は今期このパフテックジャケットを購入しており、これから実際の冬山登山で試す予定です。素材や設計から考える限りでは、中間着としての活用には十分な可能性があると考えられます。
💡 ポイントまとめ
- 中綿入りで保温性と軽量性を両立
- ザック内での収納性が高く、行動中の着脱が容易
- 強風・極寒下ではハードシェルとの併用が必須
- コスパが高く、街中でも違和感なく着られる


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