はじめに
本記事は2022年に購入・使用した スポルティバ TX5 GTX のレビューをベースにしています。
2025年時点での最新販売状況・モデル仕様を確認し、必要な情報をアップデートしました。
※記事内の写真は2022年モデルですが、基本仕様やデザインは現在のモデルも同じです。安心して参考にしていただけます。
TX5 GTX の基本スペックと特徴
- アッパー:ヌバックレザー+補強ラバーバンパー(保護性・耐久性が強み)
- 防水透湿:GORE-TEX®
- ソール:Vibram®(岩場で信頼のグリップ、エッジングも安定)
- ミッドソール:適度なクッション+ねじれ剛性で荷重時もブレにくい
- 重量感:軽量モデルほどではないが、荷物が増えてもフォームが崩れにくい設計
👉 まとめると 「保護性・安定性・耐久性」寄り の万能トレッキングブーツ。軽量スピード志向より、安心して歩き切る方向に振ったバランスです。
サイズ感・フィット感レビュー
- ラスト(足型):スポルティバ標準〜ややタイト。幅広の方はハーフサイズUPを検討。
- 甲の高さ:標準域。甲高ならインソール調整やハーフUPが安心。
- 踵ホールド:しっかり系。下りでのズレが少なく、マメができにくい。
サイズ選びの目安
- 普段のスポーツシューズ27.0cm相当 → EU42 前後を基準に試着
- 幅広・甲高の方 → ハーフサイズUP+中厚ソックスで微調整
- 岩稜主体でタイトに履きたい → ジャストサイズでフィット重視
※実店舗での試着が最優先。つま先~指先に適度な余裕(5~10mm)が取れるか確認。
他モデルとの比較(立ち位置の理解)
下の比較で、TX5 の「役割」がはっきりします。
モデル | 設計の方向性 | 得意なシーン | フィット感 | 一言まとめ |
---|---|---|---|---|
TX5 GTX | 保護性・耐久性・安定性 | 荷物多め縦走、ガレ・岩場、長時間歩行 | 標準〜ややタイト | 「迷ったらこれ」の万能型 |
Equilibrium Hike GTX | 軽量・推進力 | 軽荷スピード志向、日帰り~小屋泊 | ややタイト | とにかく軽快。耐久は割り切り |
トランゴ系(例:Trango Alp) | 剛性・エッジング・保護 | 岩稜寄り、残雪・アルパイン寄り | タイト | 硬めが好き・攻めたい人向け |
👉 安定して歩く・荷物に耐えるなら TX5。
👉 軽快さ優先なら Equilibrium。
👉 もっと硬く・攻めるなら トランゴ系。
実地レビュー(御在所岳・北アルプスで使用)
実際にTX5 GTXを使用した際の感触です。
- 登り:軽量ではないが、踏み込み時にパワーが逃げず疲れにくい。
- 下り:踵保持とソール剛性でブレが少ない。爪先トラブルが出にくい。
- 岩場:エッジングの安定とラバーバンパーで安心感が高い。
- 長時間歩行:クッションと剛性のバランスが良く、脚全体の疲労が溜まりにくい。
※掲載写真は2022年モデル使用時のものです。2025年モデルも基本仕様は同一です。
メリット・デメリット
メリット
- アッパー保護とソール剛性で安定感が高い
- 荷物が多くてもフォームが崩れにくい
- 岩場・ガレに強く、靴寿命も伸びやすい
デメリット
- 軽量靴と比べると軽快感は劣る
- 幅広の方は窮屈に感じやすい
- 夏の高温域ではやや蒸れやすい(ソックス選び・休憩で調整)
どんな登山に向く?向かない?
- 向いている:北アルプスなど中~長距離縦走、鎖場・ガレ多めの中級山岳、テント泊や荷物多めの小屋泊
- 向かない:とにかく軽快に速く歩きたい日帰りハイク、厳冬期アルパイン(→より剛性の高い靴が無難)
耐久性・経年変化(半年~1年使用の目安)
- つま先や外側の擦り傷は出るが、ラバーバンパーで致命傷になりにくい
- ソール摩耗は使い方次第だが、硬い分すり減りは緩やか
- 防水体感はインソール・ソックス運用で変化。濡れの原因の切り分けが大切
👉 泥落とし・保革・十分な乾燥で寿命はさらに伸びます。
購入前チェックリスト
- つま先余裕5~10mm&下り時の爪先当たりゼロを確認
- 踵の浮きがないかチェック
- 中厚ソックスでのフィット確認(夏・秋の想定)
総合評価
「重くても安定して確実に歩き切りたい」人にベストの一本。
軽快さトップの靴ではありませんが、縦走・ガレ・岩場の総合力が高く、失敗しにくい選択です。
幅広の方はハーフUP+ソックス調整でフィットを詰めるのがおすすめです。
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こんにちは。けんしょうです。今回は登山靴として、
登山靴 スポルティバ LA SPORTIVA TX5 GTX を紹介します。
結論:あり(個人的にかなりおすすめ)
ここからは、実際の写真とともに使用した感想をお伝えします。購入検討している方の参考になれば幸いです。
- 2022年製 色:こげ茶(ヌバックレザー部) メンズ サイズ42
製品の特徴と技術
1. Gore-Tex® テクノロジー
TX5 GTXはGore-Tex® ライナーを備えているため、防水性と透湿性に優れています。このテクノロジーにより、雨や雪の中でも足を乾燥させつつ、長時間の活動でも蒸れにくい状態を保つことができます。足が濡れることなく快適に活動できるので、天候を気にせずに長時間のハイキングやトレッキングが可能です。
2. Nubuck レザーのアッパー
高品質のNubuck レザーを使用したアッパーは、耐久性と快適性を兼ね備えています。レザーは柔らかく足馴染みがよいため、初めから足にフィットし、痛みや不快感を最小限に抑えます。また、レザーは優れた耐摩耗性を持っており、岩が多い山岳地帯や林道でも傷がつきにくいです。
3. トラバース X ソール
スポルティバ独自のトラバース X ソールは、優れたグリップ力を提供し、不安定な地面や滑りやすい表面での安定性を向上させます。このソールは、登山時の昇降や横断時の横滑りを防ぎます。さらに、ソールのデザインは土や泥の詰まりを防ぎ、常に最良のパフォーマンスを維持します。
レビュー
私は雪山以外、春から冬にかけて低山、夏の高山を主に使用しています。
足入れした感触は、フィット感が良く、また非常に軽く感じます。
実際、TX5 GTXは片足約560グラム(サイズ42の場合)という重量で軽めです。長時間の使用にも疲れにくい設計です。
斜視と正面写真です。ハイカットモデルです。そのため、足首のホールド感があり、安心感があります。
靴紐は黄色の差し色が入った黒であり、若干細めの紐となっています。
ヌバックレバーのアッパーのため、足のフィット感を良いです。
スポルティバの靴は足幅が狭めの評判が多いですが、その中でもTX5は広めの部類に入ると思います。
私は足幅が広めで外反母趾型ですが、TX5はだんだんなじんできて、最終的にほぼ足との隙間を感じないストレスフリーの登山靴となっています。
アッパー部分のライニングには、ゴアテックスを採用されています。そのため、足を濡らす心配はありません。
ただし、冬の低山の雪山や残雪期の登山では、軽アイゼンを装着可能ですが、やはりアッパーが雪とあたっている時間が多いと足が冷たく感じます。そのため、足は濡らす心配はないですが、深い雪を歩くケースがある場合は、足が冷たくなるので、あまりお勧めしません。


側面写真です。側面側も薄いですがラバーで覆われており保護力が強めです。足先のラバーよりは薄いラバーなので、足を入れたFIT感が良いのだと推定します。
足首のフックは樹脂製であり、若干強度に心配がありますが、軽量化効果を優先したのかなと考えます。このフックは返しがあるので、紐が外れにくい構造となっています。
足首には、3Dフレックスシステムが搭載されていて、ホールドしながら必要な可動域を確保しています。


後ろ側写真です。後ろには、持ちやすい紐がついています。

ソール写真です。ビブラムソールです。そして、メガグリップ(グリップ力強化)が採用されているとのことです。
確かに、岩場などでしっかりグリップ力を感じることができます。さすがにザレザレの急斜面の下りは滑りそうになることはあります。滑りやすい斜面では、歩幅を小さくしたペンギン歩きが必要なシーンはあります。

つま先を押し付けたときの写真です。TX5はぐにゃりと曲がる柔らかさがあります。比較のため、ソールの硬い靴(トランゴ アルプ)との比較写真を載せます。
そのため、個人的にはTX5は1泊2日で12時間以上歩くような長い工程だと後半に足の裏がだんだん痛くなることがあります。実際、TX5で白馬岳を白馬大池コースで1泊2日でいったときは、行きは靴が軽くて爽快でしたが、帰りの下りではだんだん足裏が痛く感じるときがありました。
また、TX5で笠ヶ岳(登り笠新道、下り鏡平経由で1泊2日)にいったときは、登りの稜線に出る手前のカールらへん岩階段あたりから足が痛くなってきました。
そのため、岩階段が多い登山道が長い時間ある場合は、TX5よりも、もう少しソールの硬い靴を推奨します。
しかしながら、登山道が整備された低山などでは、かなり爽快に登山をすることができますので、個人的におすすめです。硬いソールと柔らかいソールを使い分けるときの一足としてはかなりおすすめです。


以上、実際の写真などを用いて、スポルティバ LA SPORTIVA TX5 GTX(トラバースX5 GTX) について、お伝えしました。いかがだったでしょうか。
まとめ:あり(個人的にかなりおすすめ)
得た知見:自分の足にフィットする靴は、登山を快適にする。
皆さんも自分にあった快適な登山靴で登山を楽しめることを願っております。
では、また!

2022年9月:白馬岳から杓子岳方面を望む(本TX5靴着用、筆者撮影)